私の絵は、星空や夜景みたいだ、と良く言われます。
私は自分も含めた鑑賞者が画面上に散らばる色の点からどのような風景を見出すのか、そして単純な点の配置によって空間はどのように画面上で結ばれていくのかに興味をもち制作してきました。
近付いていけばそれは並列された絵具の点が画面にひっかかっているだけですが、ふと作品と距離を置いたある瞬間に自分の記憶とつながり、思考は平面性と自分の中で結ばれた物語をはらんだ大きな空間との間を行き来し始めます。
それはどちらに依ることもなくゆらゆらと行き来をし、静かに自分を揺さぶり続けます。奥行きを持った風景/平面性が真横で同居する環境、その状況を探し続けることが私にとって最も重要なことです。
村岡佐知子